Chapter1 へっぽこ研修医と観客たち その3(6)
実は、職場でサンシンを弾くにあたって、気をつけなくてはならないことがあった。患者さんたちとの距離の取り方だ。
沖縄という土地柄、プライベートとパブリックの区分けは、極めてなだらかである。
僕がサンシンを弾けると聞いて、飛びついてくる患者さんは少なくなかった。僕が学生時代にやったバイトのようなことを頼む方もいたし、中には、弟子入りを志願する方までいた。
ですが、すべて、丁寧にお断りさせていただきました。
医者の多忙さは半端じゃないから、責任のもてないことは引き受けられない。それに、僕のプライベートに土足で入ってこられると、肝心な仕事もできなくなってしまう。
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